北には六甲山が見え、南には遠く海岸線を望むことのできる住環境に相応しい「個の家の集合体」としての「住まい」(集合住宅)をめざし、パブリック空間からプライベート空間にいたるまで、さまざまな場所で心地よい風を感じ、穏やかな日差しを浴びながらのコミュニケーション・シーンをイメージしつつ、心地よい空間づくりを心掛けました。
3つのブロックで構成された「住まい」は、コアを中心とした共用空間で柔らかく繋がれており、水平の軸線と垂直の軸線の接点が、光と風による賑わいの空間となることをめざしました。
タイルの濃淡による縞模様のBig Wallとコンクリート打放し仕上のBig Gateなどによって様々な「集合体」を視覚的にも感じることができ、居住者を心地よく出迎えてくれることでしょう。
建物全体を包み込むように配されたバルコニーは、水平に入れた化粧目地によりさらなる一体感と安心感を生み出し、光と影により豊かな表情を醸し出し、素材のコントランストを生かしながらシンプルで心地よいデザインを試みました。
Big Gateに誘われてエントランスを抜けると、日常を忘れリフレッシュできる居住空間に導かれ、住戸までのそれぞれの空間がお互いに手と手を取合って「住まい」を案内してくれることでしょう。
リフレッシュ空間である「住まい」にいたるアプローチを自然に感じ、心安らぐ空間体験が日々繰り広げられることを期待しています。