茨城県筑西市において地域精神医療を担ってきた病院における病棟建替計画です。平成18年に実施されたB病棟建替え工事(100床/当社設計監理)では、病棟のユニット化、個室化により、個々の症状に柔軟に個別対応が可能な環境が整えられました。
B病棟の建替え時に策定された全体マスタープランにおいて第3期計画に位置付けられる今回の計画は、老朽化が進むA病棟を新たに認知症治療病棟として建替え、病床数のダウンサイジングに合わせて、病棟機能の再整備を図るプロジェクトとなります。
認知症治療の専門病棟として、「わかりやすい明快な空間つくり」、「季節や時間の流れを感じることのできる開口部計画」、「自分の居場所を認識し易くする色彩計画」の実現に努めました。
また、低層でゆったりと敷地に広がる既存棟の、さわやかに敷地に溶け込むたたずまいを継承できるよう外観の検討を行いました。勾配屋根を踏襲し、左官仕上げ、タイル張り、コンクリート打放し仕上げという、既存棟の構成要素を用いることで調和を保ちつつも、濃色のタイルをアクセントとして配色して、新たな病棟としての印象を持たせました。