40年にわたり地域の医療福祉を支えてきた法人による、病院機能の更新プロジェクトです。
169床の病床のうちの急性期(40床・1単位)と地域包括ケア(56床・1単位)、そして病棟以外の病院機能のほとんどを現敷地にて改築し、残る医療療養(73床・2単位)と管理部門の一部を改修した既存東館にて転居活用するというプログラムでした。
現在地建替えによる限られた建設範囲に加え、高さ制限という条件から、3階を1フロア2看護単位の病棟と設定して下層階からオーバーハングさせる計画としました。
1階の東西を貫く「センターモール」に対してエレベーター、外来、検査、放射線などの各部門が面することで、わかりやすい、案内しやすい空間となるよう計画しています。また、「センターモール」の東西軸は、建設年次の異なる既存棟を残しての建替え計画であることから見込まれる、将来の更なる機能更新においての計画軸ともなります。
急性期と地域包括ケアの計2看護単位で構成している3階病棟フロアでは、廊下に広く開いたスタッフステーションに対して集約的に病室群を配置させました。病棟全体が一体的となり、見守りによる安心・安全がより感じられる構成を目指しました。
各病棟は背中合わせとなるよう組み合わせ、双方からサポートしやすい効率的な病棟を実現しました。
今後、既存棟の改修、解体、外構整備工事を経てグランドオープンを迎えることになります。急激な人口減と高い高齢化率が指摘される地域において、将来を見据えた持続可能な施設整備を心掛けました。