一般の社会生活に疲れ、精神的な重圧から体調を崩した患者さんにとって、短期間であれこころを休めることができる、リゾートホテルのような感覚のある空間。それでいて病と戦うことができる環境、そのために、安心して医師や医療スタッフに身を委ねることができる=やさしく見守られることができる環境、を用意したいと考えた。極力シンプルな空間の中でプライバシーが守られ、個々が入院生活を自らコントロールし、様々な生活空間や光や風を選択できることで、生活のリズムを取り戻すことができる。そんな病棟空間を目指した。
既存棟の高い階高、天井、大きな開口部を最大限に生かしながら南北に空間を広げていくことで、外部の景色や空間を巻き込み、様々な表情を持つ、奥行きのある病棟を完成することが出来た。