昭和50年初頭に建設された知的障がい者のための4つの障害者支援施設の建て替えと地域社会で生活していくための訓練の場となる就労系多機能型事業所の建設プロジェクトです。
各支援施設は4つのユニットで構成され、15名程度に小規模化されています。ユニットは利用者にとっての「いえ」であると考えると、3棟に分かれて建設された各支援施設は利用者にとっては集落となります。各施設の中央には共用部としてのホールがあり、ユニットを超えた交流の場として、日中活動に活用されています。そして、各支援施設からアクセスしやすい位置に就労系多機能型事業所を配置し、ここには診察室やレストラン、理容室を設置することで、「いえ」から村の賑わいの場である商店街や職場へ出かけていくようなつくりになっています。
ユニット内は、木質系の素材を多く使用したやさしい印象のインテリアとしています。平屋を中心とした配棟構成にしたメリットを生かし、天井を高く折り上げたリビングの上部の窓から差し込む光は、時の経過にあわせて動き、ゆったりと穏やかな日々を過ごせるように配慮しています。