既存病院は築30年を経て、特に安定した居場所を確保できる病棟と、充実した外来治療空間を必要としていた。そこで既存棟と中庭を挟んで配置した新棟に、病棟、外来、検査、供給部門を計画し、既存棟は社会復帰への第一歩として位置づけ、デイケア部門、作業療法部門、 社会復帰病棟へと改修した。
開かれた病院を目指し、エントランスホールをガラスでオープンにする一方で、外部との緩衝領域として大きな庇やピロティを設け、さらにホール内には, 外来患者さん自らが選択できるカフェや図書コーナーといった様々な居場所を設けた。
またホールと一体となった中庭からは、病院内の様々な活動を伺うことができ、病院の外部-内部が自然に繋がるよう計画した。
新病棟の4床室は従来の個室的多床室に更に襖的な建具を設え、一人でいる事と、他人と一緒である事を自ら調整できる環境をつくった。